アベあや(Lemonaid)

*カジュアルコスチュームジュエリー*

名古屋市中区丸の内に、西洋風の可愛らしいアクセサリーショップ「Lemonaid」がある。アンティーク調でお洒落な雰囲気が漂う店内に足を踏み入れると、そこにはいくつもの素材を使って華やかにデコレーションを施した作品が、至る所に飾られている。つくり手のアベあやさんが、絶妙なバランスと立体感を生み出していた。

 

 

-一つ一つが役者-

アベさんが制作するアクセサリーには、大きく分けて二つの特徴がある。一つは、アシメトリー(非対称)であること。アベさんの作品には左右対称に同じ素材を使っているものはない。決まった法則にしばられず、好きなものを好きなように思いっきりデコレーションしていく。

 

そしてもう一つは、一作品に何十種類もの素材を組み合わせること。扱うものは皮や布からビーズやリボンまでと幅広い。またヨーロッパテイストのものやアジアテイストのもの等、そこには国の融合さえも存在する。

 

「素材との出会いがスタート」と言うアベさん。行く先々で巡り合う、いいと思ったもの全てが素材としての役割を持ち、次々と絵を描くように組み合わされていくのだ。

 

「たったひとつのパーツでも有りと無しでは全然違うんです。一つのパーツが連動感を生み出してくれるんです。一つ一つが役者であるという感覚ですね。」

 

う話すアベさんの作品には、細かいところまでビーズやレースがあしらわれている。全ての素材が作品の雰囲気を作り出すために欠かせないものなのだ。

 

また、素材を縫い合わせるための糸や、つなぎ合わせるための金具一つをとっても、同じことが言えるのだという。ちょっとした色のトーンの違いを作品のイメージにそって使い分けていく。例えばアンティーク感を出したい時は白色の糸を使ったり、ウエディングなどキラキラ感を出したい時は透明の糸を使うのだと教えてくれた。

 

「全てがバランスよくまとまっていれば、私の仕事は成功なんです。」とアベさんは語る。

 

 

-誰もがプラスできるもの-

Lemonaidが目指すもの。それは誰もが似合う、そして誰もが身に付けて楽しくなるようなカジュアルコスチュームジュエリー。そこには、可愛らしいだけではなく、上品さや遊び心が詰まっている。

 

アベさんの作品には、ファッションには取り入れにくい動物のフィギュアをブローチにしたものや、カチューシャがコサージュにもなる2WAYのヘアアクセサリーがある。

 

地味でもなく、派手すぎもしないもの。シーンを選ばず様々な洋服に合わせられるもの。そしてどんな人でもちょっとした冒険心があればつけることができるもの。これが世代を超えて多くの女性からLemonaidが愛される理由の一つなのだろう。

 

「アクセサリーってひとつあるのとないのではイメージが大きく変わると思うんです。だから型にはまったおしゃれだけでなく、ファッションにプラスして、誰もが着こなしの幅を広げられるようにしたいんです。」とアベさんは言う。

 

店名の「レモネード」。実はつづりを間違えてeidがaidになっている。アベさんは、「後付ですけど、そのaidには“ファッションを手助けする”という意味を込めているんです。」とはにかんだ笑顔で教えてくれた。

 

 

-特別なオーダー品-

ネックレスやブレスレット、リングなどの小物類を専門的に手がけるアベさんにとって、お客さんからのオーダーは最も特別なものだという。オーダー品のほとんどが、ウエディング用のアイテム。お客さんが選んだドレスに合うものを、一人一人の好みや雰囲気に合わせて制作していくのだ。「プレッシャーはあるけど、既製品ではできなくて…。自分にしか出来ないから、自信をもってできるとこですね。」

 

“無いものを在るように作り、お客さんの願いを叶えていく特別な仕事”。だからこそ、一番楽しくてやりがいがあるのだと教えてくれた。

 

「以前にお客さんが、『式に向けての準備で疲れていたんですけど、このアクセサリーを見て元気がでました。』と喜んでくれたんです。それがすごく嬉しくて、良いことしたのかなって。アクセサリーってあってもなくてもいいものかもしれないけどあった方が良いことが多いんです。」とアベさんは言う。

 

これまでに海外メディアにも注目を置かれ、香港のアートマーケットにも出展してきたアベさんの作品。「実は、今後海外でもワークショップを開催しようと考えているんです。」と教えてくれた。“カジュアルコスチュームジュエリー”は国境を越えて、これからも世界中の人々を輝かせてくれるだろう。

 

 ※上記の内容はすべて取材当時のものです。