加藤秀尚 (green edge)

*邁進し続けるロックブランド*

 ロックが鳴り響くセレクトショップmode-ratoの店内に置かれている商品はすべてロックテイストの服だ。2トーンやタータンチェックが目立つ中、あらゆるところにスカルマークやスタッズが用いられている。大須商店街の大通りから少し外れた路地にお店を構えた加藤秀尚さんは、ロックのイメージとは少しギャップのあるとても穏やかな方だった。

 

mode-ratoに置かれているブランドの中でも大半を占めるのが、green edge。

加藤さんがデザインするブランドだ。加藤さん自身、衣料の製作を独学で学んだため、未熟、若いという意味を持つgreenと、淵から上に目指すという意味を持つedgeの二つの言葉からできた。また、ロゴマークのモヒカンスカルは遊び心があってとても印象的だ。まだデザインを始めたばかりのころに創りだされたマークだったが、それは今まで一度も変化することなく親しみ続けられている。

 

前職は印刷会社、広告代理店で勤務されていた加藤さんがファッション業界への独立を決めたきっかけに友人の死があった。しかし、「今から10年も前になるので、今は別の形で、来るお客様や次の世代の子たちに何かを与えられる、環境を作るという形で続けていきたい。」という心境の変化があった。

 

green edgeの今年のテーマは和洋折衷。「日本に取り入れたときのロックカルチャー。日本から発信できるものを作っていきたい。自分が生活している環境の中で感じるものを出していきたい。」と語ってくれた。

 

デザインのアイデアの元について尋ねると、「その時、その時の気分。やりたいことをやっています。」と笑いながら答えてくれた。「昔と今のデザインを比べると、テイストも雰囲気も全然違いますよ。」と言う。過去の加藤さんのデザインを見させていただいたが、確かに驚かされた。green edgeは加藤さんのその時その時の直感から生み出されるデザインが生き様となって表れているブランドであるのだろうと感じた。今後の作品にもますます興味深さが増す。

 

作品へのこだわりについては「クオリティー。」とすぐに断言してくれた。「デザインの細かさは他のブランドよりも重きをおいている。」という言葉の意味は加藤さんの実際のデザインを描く様子からすぐにわかった。柄のディティールは加藤さんの手作業でひとつひとつ描かれていく。またその細かな作業が絵に立体感を持たせていく。この姿はきっと完成されたものからは、想像できないだろう。加藤さんの手によって一つの絵が大きく変化していくのだ。

 

そんなこだわりの詰まった商品を置いているにも関わらず、お客様とは服の説明はあまりせずにプライベートの話をすることが多いという加藤さん。「仕事を通してその人の人生に触れるではないけど、けっこう相談をうけることがある。」と嬉しそうに話してくれた。きっとそんな大切なお客様の存在が加藤さんの原動力となり、お客様との会話がデザインを行う上で何か影響を与えているのかもしれない。

 

※上記の内容はすべて取材当時のものです。