加藤タクヤ (T-KOO52)

*“LOVE&PEACE”で人々を笑顔に*

初めて加藤タクヤさんのシルバーアクセサリーを見たとき、強いイメージとどこか優しいイメージを感じた。細かいデザインが施されている作品はじっくり見れば見るほど人を魅了する力を持っていた。

 

加藤さんが作り出すスカルは一味違う。目や鼻がハートになっていたり、サングラスをかけていたり、トランプのマークと組み合わせてあったりと思わずクスッと笑ってしまうような作品なのだ。「一概に骸骨といっても僕の骸骨は違うというか、リアルに人間の骨格を作っているわけではなくて、伝えたい物は別にある。」と話す加藤さん。スカル、またハートや星のモチーフも、加藤さんが手がける上で、身につけていて気持ちが良い物、愛を込めやすい物という思いがある。そして身に付けることで少し強くなった気持ちになれたらいいなと言う。

 

“LOVE&PEACE”これはT-KOO52のテーマだ。但しアクセサリーに限らず、加藤さんの生きていくコンセプトそのものだと言う。「みんなが笑っていないと嫌だ。」そんな思いが強くなったのは、大学時代の頃だった。400人もの学生をまとめるリーダーとしてサークル活動に精を出していた。

 

実は加藤さん、今のブランドT-KOO52を立ち上げるまでにいろいろな場所で想像を超える経験を積んでいたのだ。元をたどれば高校生の時にアメリカンロックスターにあこがれて始めたバンド活動。スカルのシルバーリングをつけたいと思っても、その当時名古屋ではまだ買えなかったのだ。売っていないなら作りたいという思いがわいた瞬間だった。しかし、東京の大学へ行き卒業後はタレント活動として全国ツアーでミュージカルを回ったりするなど、アクセサリーに対する思いはしばらく忘却されることに。

 

それからシルバーアクセサリーへの思いを呼び覚ましたのは、音楽活動をするために渡ったアメリカだった。たまたま出会ったインディアンの人々と仲良くなり、インディアンジュエリーの技術を教えてもらったこと。また活動資金を稼ぐために、日本のアクセサリー会社の社長さんたちの運転手やガイドをしていたこと。この二つの巡り合わせから、気づいたらアクセサリーに対する熱い思いが再びわき、自分のショップを持ちたいと思うようになっていたのだ。

 

今お店を構えて13年目になる。過去にこんな感動的なことがあったと話してくれた、ある一つのエピソード。自閉症の子供を担当する保母さんが、「今まで3年間勤めていて一度も目を見てもらったことも口をきいてもらったこともなかった子が、たまたまタクヤさんのアクセサリーを着けていたら、『お姉ちゃんこれかわいいね。わたしにも着けさせて。』っていってくれたんです。タクヤさんのアクセサリーが奇跡を起こしてくれた。」と言ってきてくれたことがあったそうだ。きっと「みんなに笑ってほしい。」という加藤さんの思いが届いたのだろう。

 

デザイナーにたどり着くまでにも様々な分野で才能を発揮してきた加藤さん。実は今でもシルバーアクセサリー制作を手がける傍ら、音楽活動も行っている。「音楽もアクセサリーを作ることも、僕にとっては表現することだから同じ。」だと加藤さんは言う。加藤さんの話を聞いていると、音楽もアクセサリーも人の心を動かすことができるという可能性を感じる。なるべくしてデザイナーという仕事に引き寄せられたのかもしれない。周りにメッセージを発信する大きな力を持っている人だと確信した。

  

※上記の内容はすべて取材当時のものです。