MINN(MINN&NUWE)

*アルミニウムの棒に命を吹き込む*

 世界中の観光客が集まるパッポンの屋台街、多くの観衆に囲まれてアルミニウムでできたバイクや人形を販売する2人組がいる。彼らはビルマ人のMINNさんとNUWEさん。今回は主に制作を担当するMINNさんに話を伺った。

 

―道端のアルミニウム―

とにかくバイクが大好きなMINNさん。20年前にふと思いついたように道端に落ちていたアルミニウムの棒を手で曲げてバイクのおもちゃをつくってみたという。「それを見た仲間が面白がって、ここはこうしなよ、と助言してきたんです。僕はそのアルミニウムの棒でできたバイクともいえないガラクタを家に持ち帰り、ハサミとペンチでさらに工夫をこらしていったんです。すると、仲間の想像以上のバイクが完成したんです。」とMINNさんは嬉しそうに話してくれた。

それ以来ハサミとペンチだけで作るというスタイルは変えずに、技術を少しずつ向上させて作り続けている。今では他の人には真似できないほど複雑な形状の作品を、自由な感性と想像力で生み出しているのだ。

 

-止まらない制作-

「技術に対しての苦労はしていません。新しい形を作る時は失敗することを恐れないでどんどんアルミニウムを曲げていくだけ。失敗したとしても、所詮ただの棒ですからね。」

そんなMINNさんの恐れず突き進んでいく勢いは、作品にとても表れている。

作品のほとんどは100バーツ以下のものであるが、毎晩5000バーツ程の売上を立てていく。「売れれば売れるほど、その商品棚を埋めるためにたくさんの観光客の前で作ってエンターテイメントをする。その見物客が目の前で喜んでくれるのが一番嬉しいんです。」とMINNさんは笑顔でつぶやいた。

「喜んでもらえればどんどん売れる。売れたらどんどん新しいものに挑戦できる。こんな素晴らしいサイクルはないですよ。」と多くの人に囲まれながら、得意のバイクをつくる手を止めなかった。

 

-共有する喜び-

現在バンコク内にはMINNさんの指導を求める無数の生徒がいる。作品に、そしてその技術に憧れて多くの人が集まるのだ。その中には、実際に店を出す人も。「ライバルをつくってしまうことになりますね。でも僕みたいに作って楽しんでくれる人、そんな彼らのまわりで喜んでくれる人がたくさん現れるなら、それ以上の事ってないですね!」

MINNさんは今や自身だけが作ることにおいてだけではなく、技術を継承していく人の存在にも喜びを感じている。多くの人を虜にしていくMINNさんのアルミニウム作品。みんなを喜ばせようとする彼のエンターテイメントが、一本のアルミニウムから世界中に広がろうとしている。

 

※上記の内容はすべて取材当時のものです。