Mr.KO(ART AREA)

*鉄を生かすメタルアート*

バンコクの繁華街パッポンのビルの中に、人よりも大きなエイリアンやロボットが無造作に置かれている。全て鉄で繊細に作られ、独特な雰囲気を漂わす。この巧妙な作品をデザイン・設計しているのは華僑のタイ人であるMr.KO。個性的で豪快な中年男性である。

 

 

-第二の人生-

もともと30年ほど前には木彫りの彫刻家としての活動をしていたMr.KO。木製の家具などを作り、そこに複雑なデザインを彫る彫刻家として有名だった。家具だけにはとどまらず、さらに建築や内装までも手がけるようになっていく。そして木彫の本場インドネシアに渡り、彫刻家としての道を奥深くまで突き進んでいた。

 

しかし、そこで行き着いた先は彫刻家としての成功ではなかった。Mr.KOが直面した現実は、インドネシアの豊富な資源とされている熱帯林の人為的な伐採・破壊による環境問題だった。

 

そんな環境破壊を目前にして、これ以上森林を失うことに拍車をかけられないと思ったMr.KOは、確立していた木彫の道に終止符を打ったのだ。

 

インドネシアやタイには、海外から企業が多く入り、多くの鉄鋼所ができている。

 

そこで使われなくなった鉄を作品として扱おうと、黄さんのリサイクルメタルアーティストとしての人生が始まった。

 

 

-作品の成熟-

リサイクルメタルアートを始めるにあたり、Mr.KOは自身が大好きなエイリアンやプレデターを模った作品を作った。どんな鉄の部品がどのパーツに使えるのか試行錯誤しながら、同じモチーフで作り続けたのだ。そのうちこの2点に関して、知らないうちに誰にも負けないクオリティーを出せるようになっていた。エイリアンとプレデターに特化するMr.KOの作品は大きな存在感を放たせる。

 

これまでに苦労した作品はどんなものですか?という質問に対して、「長くかかったのは三国志の関羽。3m近くあり、丸1年はかかりました。でも苦労したとは全く思っていません。楽しくてやっています。」と答えてくれた。Mr.KOの手にかかれば、どんなに大きな生物だって、鉄で表現できないものはないのかもしれない。

 

 

-世界を巻き込む鉄の塊-

 現在もMr.KOのもとには日々たくさんの注文が入る。その中でも特に、海外のお客さんが多いと教えてくれた。日本人の観光客には、アニメキャラクターなどを依頼されることが多いという。「難しい注文も、たくさん作る事も全てチャレンジ精神から来ています。お金なんて関係なくて毎日勉強して、毎日成長して、毎日楽しんでいます。」と、作品づくりが人生の全てと言わんばかりに感じさせてくれる。

 

最近ではバイクのカスタムメイドとしてのリサイクルメタルアートにも力を入れ、大手のモーターショーに作品を展示している。近年ではヤマハのバイクフェスティバルにて23位を独占した。

 

「バイクフェスティバルには世界中のマスコミが来て僕の作品を取り上げてくれるんです。たくさんのお客さんから評価を得て僕の作品を世界中の人に知ってもらいたい。そしていつか環境破壊の問題を世界中の人が身近に感じて世界が変わればいいと思っています。」

 

多くの人を惹きつけていく作品には、世界に目を向けるMr.KOの熱い思いが隠されていた。

 

 

 

 

 

担当記者:原田真未